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長江春子
小春のあしあと

書籍、電子書籍「小春のあしあと 日本と中国の間に生まれた子の不器用な旅路」 

                         著者 長江春子(胡春平)さん(多文化の道先案内人)

 長江さんは、民間財団において20年以上、国際教育交流、多言語教育、多文化共生に関するプログラムに携わっています。


 多忙なお仕事の合間に、ご自身の人生の軌跡を振り返りながら、これからの多文化共生社会へ向けた想いを綴られました。

 長江さんに、本を出版した感想をうかがいました。

 

本を出版して

 ありのままに生きたい。でもこれまでの数々の苦い経験からどこか人間不信、対人恐怖、「どうせ理解されない」という思いを抱えてきた私。

 

 一方で、仕事柄、私と似たような経験の十代の方々に「勇気を出して一歩踏み出そう!」と励ましてきたのも私。

 そんな内面的な自己矛盾と人知れずの葛藤を払拭したいと強く願うようになっていた頃に、「本づくりワークショップに出てみませんか」と声をかけていただきました。

 

 ふだんから文章を書くのが好きですし、本を作ることに興味を持っていたので、気軽に参加してみたら、深みにハマってしまい(笑)、気づいたら自分の本を出してしまいました。

 今、振り返ってみますと、原稿を書いていくうちに、次から次へ記憶の断片が脳裏に浮かんできて、それとともに心の深いところにある襞にしまい込んでいた悲しみや怒り、喜びや感謝と言った様々な思いが湧いていきました。

 

 それらをひたすら文字にし、書きながら泣き、自分で読み返しては泣き、感想を言ってもらっては泣き……本が出来上がった頃には長年の鬱屈した気持ちがすっかり涙に洗い流されて、スッキリしました(笑)。

​★注:「本づくりワークショップ」は、2020年にいなぎコミュティビジネスクラブとアネスト出版のコラボで開催したワークショップ。

​●本を出版して本当によかったこと
・思いっきり自分をさらけ出すことで、もう元には戻れないと、いい意味で覚悟ができました。
・自分のライフストーリーを辿り、必死に生きてきたことの意味についてじっくりと、深く考えることができました。
・ふだんうまく言葉にできない複雑な思いを、本を介在して、より多くの方、直接知らない方にも伝えることができました。きっと届く人には届くと信じています。
・自分の今後の生き方、ライフワークについて考えるきっかけにもなりました。
・今思春期の私の子どもたちが、いつかこの本を通して家族の歴史、自分のルーツを知ることができると思うと、とても満ち足りた気持ちになります。


●周りの変化

・何人もの読者の方に「よく書いてくれた、ありがとう!」と言われて驚きました。
・私をよく知っている(そう思っている)方でも、この本を読んで「知らなかったことばかりだ!」と言ってくれました。実はお互いよく知っているようで知らなかったとわかりました。
・自分がふだん関わっている若い子たちの境遇や気持ちに思いを馳せながら読むことができた、と言ってくれました。
・本当に信頼できる方、理解してほしいと願う方に、自分について長々と説明する代わりに本を読んでいただくことができるようになりました。

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